薬膳では、体質に合った食事や生活をすることで、不調を根本から整えていくことを目指します。
そのためには、まず「自分の体質を知る」ことが大切。
今回は、代表的な体質である「気虚(ききょ)」「血瘀(けつお)」「陽虚(ようきょ)」の3タイプについて、セルフチェック形式で紹介します。
前回の記事でご紹介した「痰湿タイプ」に続き、シリーズ第2弾としてご活用ください◎
薬膳における「体質」とは?
中医学では、人の体質を9つのパターンに分類し、それぞれに合った食材や生活習慣を提案します。
今回ご紹介する3タイプは、日本人にも多い傾向があるとされ、日々のちょっとした不調の背景に関係していることも。
気虚(ききょ)タイプ|エネルギー不足の体質
「気」は体を動かすエネルギーの源。気虚タイプは、そのエネルギーが不足している状態です。
▼以下の項目に「はい」が多く当てはまりますか?
- すぐに疲れる/息切れしやすい
- 風邪をひきやすく、治りにくい
- 声が小さく、話すのが面倒に感じる
- 食欲があまりなく、食べるとすぐ満腹
- 朝起きるのがつらく、だるさが続く
- 顔色が白っぽく、元気がないと言われる
5個以上当てはまる人は、気虚体質の可能性大。
胃腸をいたわり、少しずつ「気」を養う食材を取り入れるのがおすすめです。
血瘀(けつお)タイプ|血の巡りが悪い体質
「血瘀」は血の巡りが悪く、滞っている状態。
冷えやコリ、痛み、シミやクマなどに関係しています。
▼以下のチェックリストで確認してみましょう。
- 肩こりや頭痛が慢性的にある
- 顔色が暗く、唇が紫っぽい
- シミやクマ、目の下のたるみが気になる
- 生理痛が強い/血塊(レバー状の塊)が出る
- 冷え性で手足が冷たい
- 打ち身・あざができやすく、治りにくい
血瘀タイプの方は、体を温めて「巡り」をよくする食材(黒豆・紅花・玉ねぎ・黒きくらげなど)を
日常に取り入れることがポイントです。
陽虚(ようきょ)タイプ|冷えが深刻な体質
「陽」は体を温めるエネルギー。
陽虚タイプはその熱源が不足しているため、慢性的な冷えや代謝の低下が見られます。
▼あなたは何個あてはまりますか?
- 冷え性で、特に下半身が冷える
- 温かい飲み物・スープが好き/冷たいものが苦手
- お腹や腰が冷えて痛くなることがある
- 手足がむくみやすい
- 頻尿・下痢しやすい
- 寒がりで、寒い季節が苦手
陽虚体質の方は、温める力を補う「温性食材」(羊肉、生姜、シナモン、ねぎなど)で
内側からの冷え対策を心がけましょう。
体質を知ると、不調の原因が見えてくる
今回紹介したのは薬膳で使われる体質分類の一部ですが、
「なんとなくの不調」や「年齢とともに変化してきた体調」に気づくヒントになります。
体質はひとつに絞られるものではなく、いくつかのタイプが混在していることもよくあります。
チェック結果を参考に、次回からはタイプ別のおすすめ食材やレシピも紹介していきます。
気になるタイプがあれば、ぜひ今の自分の食事や生活習慣と照らし合わせてみてくださいね。
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