月に一度やってくる、女性特有の不調。
・イライラ、情緒不安定
・むくみ、頭痛
・胸の張り
・甘いものへの欲求
・眠気やだるさ、集中力の低下…
いわゆるPMS(月経前症候群)ともいわれるこの状態。
「仕方ない」とやりすごしている方も多いかもしれません。
でも薬膳では、こうした変化を“体からのサイン”ととらえて整えるヒントをくれます。
今回は、月経周期と女性の体の関係、そしてPMSへの薬膳的アプローチをお届けします。
中医学では「女性の体は“血”でできている」
薬膳のベースである中医学では、
女性の体は“血(けつ)”に支えられていると考えます。
月経、妊娠、出産、更年期など、
女性の一生に関わる変化には、常に“血”が深く関係。
そのため、血が足りない「血虚」や、血が巡らない「瘀血(おけつ)」の状態になりやすいのです。
PMSのタイプは大きく2つに分けられる
薬膳の視点では、PMSの出方によって大きく次の2タイプに分けられます。
①「肝の気」が滞ってイライラ・情緒不安定に(気滞タイプ)
生理前になると急にイライラ、怒りっぽくなる、
胸が張る、便秘ぎみ、甘いものをドカ食いしたくなる…
そんな方は「肝の気」がスムーズに流れていないサインかもしれません。
肝(かん)は「気」の流れを調節する臓。
ストレスや疲れで肝の気が滞ると、精神的に不安定になりがち。
おすすめ食材:
・セロリ
・ミント
・ジャスミン茶
・春菊
・柑橘類(グレープフルーツ・みかんの皮など)
→気の巡りを良くする“香りのある食材”で、リフレッシュを。
②「血」が足りなくて不安定に(血虚タイプ)
生理前になると眠れない、不安になる、動悸がする、疲れやすい…。
そんな方は「血」の不足=血虚(けっきょ)が影響しているかも。
生理そのものが「血」を消耗するため、日頃から血が少ない状態だと、
生理前に心や体がバランスを崩しやすくなります。
おすすめ食材:
・なつめ
・黒ごま
・レバー
・クコの実
・にんじん
・鶏肉・牛肉
→“血を補う食材”を意識してとることで、心の落ち着きや肌の調子も変わります。
月経前の過ごし方に“養生”の視点を
「薬膳=食べ物」のイメージが強いかもしれませんが、
薬膳では“暮らし全体の整え方”=養生(ようじょう)も重視します。
月経前は、がんばりすぎない・冷やさない・香りや音など五感でゆるむことがポイント。
たとえば…
- ハーブティー(ローズ、ラベンダーなど)をゆっくり飲む
- 好きな音楽で心をほどく
- スマホをオフにして、湯船につかる
- お腹と腰をしっかり温める
- “誰かのため”より“自分のため”を優先する日を作る
月経は、体が“がんばった結果”として現れるもの。
「またつらい時期が来た…」と思うより、
「ちょっと手当てしてあげよう」という気持ちで過ごしてみてください。
「毎月のこと」だからこそ、やさしく向き合おう
PMSの不調は、「女性だから仕方ない」と我慢されがち。
でも、それを“体からのSOS”ととらえて、根本から整えることが薬膳の役割です。
わたし自身も、PMSのイライラや涙もろさにふりまわされていた時期がありました。
けれど、食べ方・過ごし方・ものの見方を少しずつ整えていくことで、
月経前のつらさが和らいでいくのを実感しています。
“整える”って、がんばることではなく、ゆるめることなのかもしれません。
毎月のリズムを、しなやかに、心地よく。
薬膳の知恵を、お守りにしていきましょう。



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